慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)とは
私たちの体には、細菌やウイルスから身を守る免疫機能が備わっています。
この働きを担っているのが、血液の中にあるリンパ球です。
慢性リンパ性白血病(CLL)は、血液のがんの一つで、CLL細胞という異常なBリンパ球が血液や骨髄で過剰に増える病気です。
CLL細胞がリンパ節組織で増えている場合には、小リンパ球性リンパ腫(SLL)と呼ばれますが、本質的には同じ病気です。
米国のがん統計による診断時の年齢中央値※は70歳で、男性が女性の約2倍です1)。
※患者さんを年齢順にみたときに、中央に位置する年齢のこと
CLLは米国の白血病全体の約30%を占めていますが1)2)、日本では欧米の10分の1程度です3)。
この病気の原因は明らかになっていません。
- 1)SEER Cancer Stat Facts: Chronic Lymphocytic Leukemia. National Cancer Institute. Bethesda, MD, https://seer.cancer.gov/statfacts/html/clyl.html(閲覧:2023-11-02)
- 2)SEER Cancer Stat Facts: Leukemia. National Cancer Institute. Bethesda, MD, https://seer.cancer.gov/statfacts/html/leuks.html(閲覧:2023-11-02)
- 3)青木定夫: 臨と研. 90: 57-62, 2013.
Bリンパ球
白血球の一種で、細菌やウイルスから体を守る免疫機能を担っています。


慢性リンパ性白血病(CLL)
異常なBリンパ球(CLL/SLL細胞)が血液や骨髄などで増えます。
およそ半数の患者は、発症時に症状がありません。
進行すると、リンパ節や肝臓、脾臓に腫れが見られます。


小リンパ球性リンパ腫(SLL)
Bリンパ球がリンパ節で増える一方、血液中での異常な増加は見られません。


単クローン性B細胞リンパ球増加症(MBL)
血液中にBリンパ球が増えるものの、その数はCLLよりも少なく、リンパ節や肝臓、脾臓などの腫れもありません。
CLLに進展することもあるため、CLLと同じ経過観察が必要といわれています。